赤外線画像解析アプリケーション開発

特許 公開番号:特開2024-046480、特開2023-156209

赤外線画像解析システム事業:目指す方向性

物体が放出する熱を捉え画像処理を施すことで、目には見えていないものを検知し、様々な問題を発見/特定することにより、解決策の早期検討/実施が可能になると思料しています。
本システムの開発初期から非破壊検査会社と協働している“建造物の非破壊診断”を足掛かり(STEP1)と位置づけ、ヒト/健康や救急/災害時へ貢献すべく本事業の展開に取組んでおります。

Case-1.漏水が発生しているビル画像

可視画像データ 赤外線画像データ

赤枠:青いテープが張ってあるガラス窓

 

赤枠:この領域に調査を実施

Case-1.漏水が発生しているビル画像問題部の3D画像表示(1/2)

「Case-3.漏水が発生しているビル画像」の赤外線画像内にマークした赤枠内を温度軸をZ軸(下図の手前方向を温度が高い向き)に表現して3D表示を行った。

 

【考察①】
左図の赤枠は、窓のサッシの上側にあたり、本来、一直線に同じ温度になるべきだが、温度にばらつきがある為、違う色に表示されている。
この高い温度は、壁体内に空洞があることを示している。

 

Case-3.漏水が発生しているビル画像問題部の3D画像表示(2/2)

【考察②】
「Case-3.漏水が発生しているビル画像問題部の3D画像表示(1/2)」※以下「3D画像表示(1/2)」の3D画像を斜め横から見た左図においては、白い枠線が温度軸であり、左上に向かって温度が高くなっている。
下側の赤い部分に関しては、3D画像表示(1/2)にて述べた部分になるが、その上の方に黄土色になっている突起が確認できる。
これも、温度が高くなっているのだが、3D画像表示(1/2)も併せて確認すると、一定間隔で存在することからタイルの目地にあたるものと推定できる。しかし、一定ではないことから目地の緩みが発生している可能性がある。

Case-2.炎症患部の解析(1/3)

痛みを訴えていた患者の患部を撮影。

可視画像データ 赤外線画像データ

 

Case-2.炎症患部の解析(2/3)

【考察①】
赤外線画像に対して、弊社開発のカラーパレットを適用し、温度の微妙な違いを2Dコンタ図で表示。
画像内にある1~6の点の温度が画像内右側に表示されている通り、濃い赤の点である1のポイントの体温が高いことが分かる。
ここが患部であることが推測できる。

Case-2.炎症患部の解析(3/3)

【考察②】
2Dの赤外線画像の患部周辺を3D表示。この際に、平均より高い体温部はより高く。低い体温部はより低く。明らかに患部とみられる周辺に隆起が見られる。
このポイントが痛みを発生している患部ととらえられる。

Case-3.運動後の筋肉負荷の解析

下肢の強化を目指した「ブルガリアンスクワットで右足のみ50回」を50代男性/健常者にて実施し、“高温強調用カラーパレット&コンタ図”で解析。トレーニングの効き具合を考察しながら、より効果的なトレーニングメニューを試行錯誤することを補助。

・10~30分後、負荷がかかった箇所の皮膚温度が約2~3℃上昇している。
・30分後の太もも背面の画像から、右だけでなく左にも同等に近しい負荷がかかった様子がうかがえる。
→このように、どのようなトレーニングを行うと、“どの部位にしっかり負荷がかかっているか否か”の可視化が可能になる。

 

 

開発の背景

 

ソフトウェアの力で様々な事件事故の防止に役立てたい

トンネル天井板崩落事故

2012年12月2日に山梨県大月市笹子町の中央自動車道上り線笹子トンネルで天井板のコンクリート板が約130メートルの区間に渡って落下し、走行中の車複数台が巻き込まれて9名が死亡した事故。

このソフトウェアでできること

現在の壁面を叩いて音を聞いて中の空洞を探すことは、時間がかかることと、俗人的アプローチである。

このアプリケーションを使えば、赤外線カメラからどの部分に空洞が存在するか判別が出来る。

 

アメリカ高層マンション倒壊事故

2021年6月24日にアメリカのフロリダ州で発生したマンションの一部倒壊事故。

10名を超える死者と、その後の行方不明者が100名以上発生した事故。

このソフトウェアで出来ること

事前に調査する事は、きっかけがなく難しいとは思うが、がれきの下敷きになっている生存者を、赤外線カメラの映像から発見することが期待できる。

これは、大地震などでも活用が出来ると考えている。